西日本

【十津川温泉 庵の湯】ダム湖に佇む、贅沢な源泉かけ流しの湯 【5湯】

奈良県の十津川村は2004年に村内の25の温泉施設すべてにおいて「源泉かけ流し」宣言をしている。温泉地全体が「源泉かけ流し」となるのは非常に珍しく全国初の試みであった。温泉好きからすれば天国のような温泉地である。これは十津川温泉郷の豊富な湯量だからこそできる極めて贅沢な「ほんまもんの温泉」であると言えよう。

一口に十津川温泉郷と言っても、北から湯泉地温泉、十津川温泉、上湯温泉の3か所の温泉地がある。今回ご紹介する【庵の湯】は十津川温泉に属する温泉だ。

庵の湯へのアクセス

村内を南北に走る国道168号線は2004年に起きた大規模な土砂崩れからの復興が目覚ましく、拡張工事が進み高規格道路が整備されている区間が増えており、離合困難な1.5車線道路は一部区間に残されるのみとなっている。

奈良県側から十津川村に向かうと旧大塔村に天辻峠という標高790m、紀ノ川水系と熊野川水系の分水嶺となる峠がある。
五條市からこの天辻峠までは険しい道のりを一気に駆け上がることになる。
付近には道の駅 吉野路大塔が整備され、多くのドライバーの憩いの場となっているのだが、冬季は奈良県としてはめずらしく頻繁に積雪があるエリアであるため、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンは備えておきたいところである。
事前にライブカメラで当地の状況を確認されるのも良いだろう。⇒ライブカメラ リンク

庵の湯が位置するのは、村内の中心地と言って良く、一番建物が集まっているエリアだ。
バスターミナル横に、村営平谷駐車場があり庵の湯を訪れる際はそちらを利用されると良いだろう。
有料駐車場であるが、庵の湯を利用すれば受付で申し出ると90分無料券がもらえる。


庵の湯の設備

庵の湯はニ野津ダム湖畔にへばりつくように建てられている。
道路からは入り口部分しか見えず、建物は道路からかなり下に位置する。
入口から長い階段を下っていくと、木材をふんだんに使った建物が見えてくる。
建物は縦長に配置されており、手前から足湯、飲泉所、手湯があり、こちらは無料で利用できる。そして受付があり、その奥に男女に別れた湯屋がある。

脱衣所は籠と100円リターン方式の貴重品ロッカーが備えられる。
浴室は内湯のみ。浴室内は壁や天井も木で造られている。
ダム湖畔側がガラス張りとなっており非常に開放感がある。
浴槽は6~7人が入れる大きさ、深さはやや浅めで180cmの小生では胸の辺りに湯面がくる程度となっている。
シャワーは3口あり、アメニティーはリーブルのボディソープ、リンスインシャンプーが用意される。

庵の湯の泉質

湯は無色透明のナトリウム炭酸水素塩泉で毎分62リットル注がれる。
加水なし、加温なし、もちろん消毒もなしの湧き出たそのままの湯だ。
シャワーやカランからも温泉が出るところにも湯量の豊富さを物語っている。

さらにこちらは貯湯槽は設けられていないので、本当にフレッシュな温泉が使われていて、かすかな硫化水素臭(硫黄臭)と金気臭を伴う。
41℃ほどの湯は、重曹泉らしくツルツルとした浴感が特徴的だ。
湧出時は60.2℃とかなりの高温で3.4kmと長い距離を引湯される間に丁度いい湯加減になるのであろう。

お湯そのものにこだわる方にお勧めできる温泉である。

私の評価
住所 〒637-1554 奈良県吉野郡十津川村平谷865
泉質 ナトリウムー炭酸水素塩泉
営業時間 8時30分~20時
定休日 火曜日
料金 大人500円 子供250円
入浴施設 内湯男女各1
浴室備品 ボディソープ、リンスインシャンプー、鍵付きロッカー、ドライヤー
最終訪問日 2022年1月

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